台風が発生した後、よくニュースなどで「台風○号は温帯低気圧に変わりました。」というアナウンスを時々聞きませんか?
そもそも、台風が温帯低気圧に変わるとどうなるのか、危険ではなくなるのか?
また、温帯低気圧と熱帯低気圧の違いについてなど、調べてみました!
台風、温帯低気圧、熱帯低気圧の違いは?
台風、温帯低気圧、熱帯低気圧、お天気や気象情報のニュースなどで耳にする言葉ですが、その違いをまとめるとこうなります。
構造 |
中心付近の最大風速 |
|
台風 -------- 熱帯低気圧 |
温かい空気だけでできている |
34ノット(17.2m/s)以上 |
温帯低気圧 | 温かい空気と冷たい空気が 混ざっている |
強弱は関係ない |
台風と熱帯低気圧は同じもので、その違いは最大風速の強弱。
台風(熱帯低気圧)と温帯低気圧の違いは構造の違い、ということになります。
台風が温帯低気圧や熱帯低気圧に変わるとどうなる?
ニュースなどで耳にする、「台風は温帯低気圧に変わりました。」もしくは、「熱帯低気圧に変わりました。」という表現。
これは、具体的に何を表すかといいますと、台風の構造が変化したということを意味します。
まず、台風と呼ぶためには2つの条件があります。
台風の条件その1:熱帯低気圧であること
「台風は温帯低気圧に変わりました。」という表現は、条件の一つである「熱帯低気圧であること」を満たさなくなった時に使われます。
つまり、台風の構造が熱帯低気圧の構造から温帯低気圧の構造に変わったことを意味します。
熱帯低気圧の構造は、中心に温かい空気だけが存在しますが、そこに冷たい空気が入り、温かい空気と冷たい空気の2種類が混在するようになると、もはや熱帯低気圧とは呼べなくなるので、「温帯低気圧に変わりました。」と表現されます。
また、温帯低気圧に変化した台風は、再び温かい空気のみになることは難しいため、逆戻りすることはほとんどないとされています。
しかし、構造が変わっただけで、
- 風速が弱まったわけではない
- 規模が小さくなったわけではない
ことを考えると、台風が温帯低気圧に変わったからと言って、危険がなくなったわけではありません。
なぜなら、温帯低気圧に構造が変化する際には、風速の強弱は関係ないからです。
むしろ、「台風は温帯低気圧に強まった。」という場合も考えられるため、「台風は温帯低気圧に変わりました。」と聞いたからと言って、油断するのは危険です。
低気圧が過ぎ去るまで、注意を払うようにしてくださいね。
台風の条件その2:最大風速が基準値以上であること
次に、「台風は熱帯低気圧に変わりました。」という表現の場合は、最大風速が変化したということです。
具体的には、中心付近の最大風速が基準値の34ノットを下回った時に、台風は熱帯低気圧に変化します。
ただ、熱帯低気圧の構造は保っていますので、周囲の環境によっては、再び最大風速が強まり、熱帯低気圧から台風に復活することも考えられます。
このように、台風は構造が変化したり、強弱の変化によって名称が変わります。
しかし、呼び方が変わっても、低気圧の構造が変わっただけでレベルが下がったわけではないことや、風速の強弱だけで雨が弱まるわけではないことに注意が必要です。
特に、雨の振り方については、温帯低気圧や熱帯低気圧に変わったからといって、雨が弱くなるわけではないので、特に注意するようにしてくださいね。
自然に発生するものは人の手でどうすることもできませんが、台風についてのきちんとした知識をもち、家の周りのものを片付けておく、通勤時間に余裕を持たせる、無理に外出しないなど、できる対策をすれば被害などを抑えることはできます。
こちらの記事が少しでもお役に立てば幸いです。