はしか(麻疹)の流行がニュースになっていますが、妊娠している方は母体や胎児への影響が気になるところですよね。
はしかは感染力も強いですし、感染してしまうと有効なワクチンなどもなく、合併症を引き起こしやすい感染症なので、なおさら怖い思いをされていると思います。
そこで、妊娠中にはしか(麻疹)に感染した場合の影響などについて調べてみました。
妊娠中にはしか(麻疹)に感染!妊婦への影響は?
まず、妊婦がはしか(麻疹)に感染した場合の問題は、
- 重症化しやすい
- 流産や早産のリスクが高まる
- 分娩時期にはしかを発症してそのまま出産した場合、新生児も発症する可能性がある
はしかが流行したある時期の、妊娠していない女性と妊婦がはしかに感染した場合を比較してみると、合併症により肺炎を引き起こしたのは10%→26%、死亡率は0.5%→3.4%と、明らかにリスクが上昇していることが分かります。
このように、合併症や死亡率が高くなる要因は、はしかに感染したことにより免疫力が低下するためだと考えられます。
そのため、妊婦がはしかに感染した場合、非妊娠時より重症化しやすいということが言えます。
また、一番心配なのが流産や早産ではないかと思いますが、やはりこちらも多少リスクは高まるようです。
その確率は、30%程度ということなのですが、数字だけ見てみるとかなり高いですよね!?
ですが、まずははしかに感染しないことが大事ですので、
- なるべく人混みを避ける
- 蔓延している地域には行かないようにする
- 妊婦の周りにいる人で予防接種をしていない人は絶対に予防接種を受ける!
など、はしかを「もらわない」「うつさない」「広げない」ように、周囲の人間も心がけるようにした方が良いですね。
そして、もし臨月にはしかを発症していた場合、分娩時にあかちゃんに感染してしまう可能性があるため、薬などを利用して出産のタイミングを遅らせることもあるようです。
妊婦だけどはしか(麻疹)の予防接種は打てる?
はしか(麻疹)の予防接種は、生ワクチンという実際のウイルスを弱毒化させたものを打ちますので、妊婦さん・妊娠可能性がある方は予防接種を受けることができません。
また、もし妊娠前にはしかの予防接種を打っている場合は、2ヶ月間は妊娠することができませんので、避妊の注意が必要です。
妊娠中はしかの予防接種はできませんが、抗体検査を受けることはできるので、心配な妊婦さんは通院している産婦人科にて相談の上、検査をしてみてもいいかもしれません。
「はしか(麻疹)の予防接種をしたかどうか分からない、感染したことがあるかも不明‥。」
で、心配してモヤモヤしているよりは、抗体があるかどうか調べてみるだけでも、少しスッキリするかもしれませんよ。
妊娠中にはしか(麻疹)に感染!胎児への影響はある?
結論から言いますと、妊婦がはしか(麻疹)に感染しても胎児への影響はないとされています。
妊娠中に万が一はしかに感染したとしても、胎児の先天奇形を生じる確率は極めて低いとされているからです。
ただ、ひとつ問題なのは、ママである妊婦自身にはしか(麻疹)の抗体がないと、赤ちゃんは抗体を持たないまま生まれてくるので、はしかに感染する危険性が高くなるということです。
はしかの定期予防接種は1歳を過ぎてからになるのですが、0歳の間は母体からもらった麻疹抗体が赤ちゃんを守ってくれます。
しかし、ママがはしかにかかったことがない・麻疹の予防接種を受けたことがない、という状態ですと胎児へ麻疹抗体が移らないので、もし今後妊娠を考えていらっしゃる場合などは、麻疹の予防接種を受けて頂けたらなと思います。
すでに妊婦の方で、この点が気になる方は、上でも書いたように抗体検査をしてみた上で、産婦人科の先生に不安な点を聞いてみると良さそうですね。
急速に広まっているはしかですが、はしかの予防接種の空白の世代と言われている26~39歳と言うと、妊婦さんも多い年代ですよね。
すでに妊娠している場合、予防接種は打てないので、感染が心配になりますが、まずは予備知識を持って頂ければなと思います。
そして、不安や心配事を抱えてしまうとストレスやマタニティブルーにもなりかねませんので、何か心配なことがあれば、ぜひ産婦人科の先生にご相談されてくださいね。